小児看護学とは

子どもとその家族に関心を持つよう促す

小児看護学は、看護学校における基礎講座としてすべての看護学生が受けることになっています。
看護学校で学ぶ生徒のうち小児科に進む人は、全体の中でも多くはありませんが、とても重要な要素ですので、誰しも看護師を目指す人であれば学んでおくべき内容だからです。

様々な医療に関する知識や判断力を身につける授業となっていますが、主眼となっているのは、子どもとその家族への関心を持つということです。
子どもは、自分の痛みなどを上手に口に出して表現することができないことが多いので、病気の判断が難しくなることがあります。
そのため、看護師などがしっかりと関心を示して、どのような状況にあるのかを把握することが求められるのです。

また、子どもを支える家族も病院に来るときにはとても心配していますので、その家族を支えるということも重要な仕事です。
家族への聞き取りから、子どもの病因などが分かることもありますので、子どもとその家族への関心はとても大事なのです。

成長によって大きく変わる小児の状態

小児看護において難しいポイントの1つとなるのは、成長によってすぐに状況が変化するということです。
年齢によって現れやすい症状も異なりますし、投与する薬の種類や量も変わってきます。
看護師として措置すべき方法なども、子どもの成長段階によって大きく異なるものですので、しっかりとこうした違いを覚えておかなくてはなりません。

大人のようにある程度決まった方法では、小さな子どもに悪影響をもたらすこともありますので、しっかりと看護学校時代にその重要性を学んでおくことは、後々大きな助けになると思います。
そして、実際の現場に出たときに、すぐに学んだことを実践できるように実習などを通して、体で覚えておくことも重要です。

小児看護の実際を実習にて学ぶ

座学で学べることは大きいですが、やはりそれを実際の現場で活用できるようにするためには、実習を重ねる必要があります。
そこで、看護学校では、小児看護の実習も数週間の期間を用いて行います。

提携先の病院にある小児科を訪れ、何人かのグループに分かれて小児を担当します。
症状を確認することや、治療方針を学ぶという医療措置についての学習とともに、どのように子どもに向き合うかということも重要なポイントです。
苦しむ子どもたちを理解し、助けを与えるという姿勢を培うことや、小さな子どもであっても、その意志を汲んであげることなどにも注意を払います。

さらに、子どもを育てる責任を負っている家族への対応も同時に訓練することになります。
心配する親御さんを安心させ、しっかりとバックアップできるように、態度や言葉に気をつけながら対応していきます。