実習の思い出

上達の様子が分かって感慨深いものがある

薬
看護学校では、毎日のように何らかの実習を行いますが、日に日に看護学生たちが技術を伸ばしていくのを見ることができます。
実習は、内容によっては一回きりのものもありますが、習得するのに時間がかかるものに関しては繰り返し時間をかけて行います。

最初の頃の実習の様子を思い返すと、学生たちがいかに上達してきたかが分かって、教師として感慨深いものがありますね。
最初の頃は、生徒たちの緊張がすごい伝わってきて、教室中がなんとなく張り詰めた感じがしていたものでした。
もちろん、緊張感は必要なものですが、ガチガチになってしまって、大事なことを覚えられないこともありますので、今のようにある程度和やかな雰囲気がある方がいいですね。

いろいろな失敗をやらかしてくれる生徒たち

実習ではいろんなことを扱いますし、生徒にとっては初めてのことも多いので、いろいろな失敗をやらかしてくれます。
ベッドメーキングなど、ある程度日常生活でも行っているようなことであれば、手順の誤りといった小さなミスだけなのですが、普段やらないことだと、思わぬミスを犯してしまうものです。

たとえば、洗髪の実習では、患者さん役の生徒に、顔にシャンプーやお湯がかからないようにシャンプーハットのようなものを装着させるのですが、緊張のためかそれを着けずに、いきなりお湯をかけ始める生徒もいました。
患者さん役は寝た状態でいますので、当然お湯が顔に全部流れ、鼻に入ってしまい、大変なことになっていました。

教師の私はそのことを気付いていましたが、あえて言わずにおいて、手順の確認をしっかりとしなければならないことを実感してもらおうとしました。
案の定、失敗してしまった生徒は青ざめてしまって、ひたすら患者さん役のクラスメートに謝っていました。
周りは、クスクス笑っていましたけどね。

頑張っている生徒たちに励まされる

実習では、みんなとても真剣に技術を習得しようと頑張っていますので、その姿を見ると教師である私も励まされます。
採血の実習などでは、少しでもコツをつかもうと、手先に注意を集中して必死に注射針を扱っている様子がいつも思い出されます。

一生懸命何かを学ぼうとするする姿は、誰であっても美しいものですので、とても良い思い出ですね。
生徒たちにそうした思い出を時々話してあげると、自分たちが以前よりも成長しているということを実感できるようで、みんなうれしそうにしてくれます。

そして、私自身がそうした思い出から教わることも多いというと、みんなさらに心を込めて実習に取り組んでくれますので、良い相乗効果が出ていますね。
これからも、たくさんの良い思い出を実習を通して得ることができるのが、とても楽しみです。