就活うつを克服した生徒

意外と多い就活うつ

看護学生の就職がぼちぼち決まる頃になると、就活に疲れてくる学生が出始めてきます。
そして、多くの学生が就職先を決める頃になると、いわゆる就活うつを患うようになることもあります。
この就活うつというのは意外に多くて、毎年このケースを見ているような気がします。

就活うつになるパターンとしては、周りがどんどん勤め先の病院を見つけているのに、自分はなかなか決まらないという原因がほとんどです。
そして、自分は看護師として不適格として見られているのではないかと考えるようになってしまって、今まで看護学校で勉強してきたことすべてが、意味がなく無駄だったとさえ思うようです。

特に、学校での成績が良くて、真面目なタイプが就活うつに悩まされることが多い傾向にあると思います。
概してこういう学生は、就職希望先の条件もしっかりとしていて、自分の進みたい道がかなりはっきりしています。
しかし、希望する病院に採用が決まらないという事態が生じると、がくっと気持ちが落ち込んでしまうのです。

考え方を変えられるようにアドバイスする

就活うつになりかけている学生は、急に元気がなくなるので、毎日生徒たちと接している教師は、その異変に気付くものです。
また、なかなか就職が決まらない生徒の様子は、できるだけ注意して見るようにしています。

その兆候が見られるようだったら、早めに個人的な面談を行うことにしています。
まずは、どんな気持ちかじっくりと話を聴くようにして、心の中にあるものをはき出してもらいます。
それだけでスッキリする生徒もいますが、さらにアドバイスを与える必要のある生徒も結構います。

就活うつで悩む生徒の多くは、もう絶対に内定がもらえないという強迫観念に近いものを持っていたり、就職希望先をかなり限定してしまっていたりします。
そのため、楽観的な見方をするように、また、自分の希望枠をもう少し広げて選択肢を増やしてみることなどを提案しています。

就活うつを克服していく生徒たち

こうした面談をすることで、少しずつ自分の見方を広げていくことができて、就活に恐れを持たずに行動できるようになっていく生徒がほとんどです。
精神的な葛藤を乗り越えて仕事を手に入れた生徒たちは、以前よりも頼もしく見えますし、仕事への意欲も強いような気がします。
精神的なストレスに苦しんでいた時は大変だったでしょうが、将来に役立つ経験ができたとも言えるのではないかと思います。

看護師として実際に働くようになれば、もっとストレスを感じることもあるかと思いますので、メンタル面でさらに強くなって、安定した看護師に成長していってくれたらな、と思いますね。
こうしてトラブルを克服していってくれる生徒を見るのは、うれしいことです。