校内実習で洗髪を行いました

簡単だと思っている学生が多いが

看護学校ではいろいろな種類の実習を行いますが、それは実際にやってみないとなかなか身につかない技術だからです。
そのうちの1つに、洗髪の実習があります。

髪を洗うだけの実習だという思いがあるので、この実習を受ける学生は最初軽い気持ちで授業に臨むものです。
もちろん、採血のような難しい技術や経験が求められるものではありませんし、患者さんに痛みを与える可能性も少ないものです。
しかし、わざわざ時間を割いて実習で洗髪を学ぶには、それなりの理由があるからで、軽い気持ちで臨むと、それが間違っていたことに気付かされることになります。

そのため、洗髪の実習が終わった後に、生徒たちに感想を聞くことにしています。
最初思っていたイメージと、実際に実習で洗髪を行ってみて、どんな違いを感じたかを聞くのです。
そうすると、大抵の学生は最初は簡単だと思っていたが、実際にやってみると苦労したという意見を述べるものです。

患者さんのことを考える機会になる

洗髪は看護師にとって大事な仕事の1つですが、上手に洗髪を行えるようになるためには、技術だけでなく、患者さんへの気遣いが必要となります。
そのため、看護学校の洗髪実習では、看護師役の学生と患者さん役の学生に別れて、お互いに洗髪を行っています。

自分が実際に洗髪をしてもらうことで、水が目に入ったり、シャンプーの泡が飛んできたりということを体験するので、何が不快なのかを知ることになります。
ちょっとした指の力の入れ加減などによって、気持ちよさが随分と変わるものですので、そうした点からも、患者さんのことを考えて洗髪を行うことの大切さを学べます。

簡単な作業に見えるかもしれませんが、患者さんのことを考えて行うと、実はとても注意が求められる仕事であることに気付きます。
こうした患者さんへの気遣いという大事なポイントを学べる機会となっているので、洗髪の実習は貴重な授業と言えるでしょう。

入院生活の質を上げるものであることを認識してもらう

洗髪を必要とする患者さんは、多くの場合体の機能が落ちているなどして、体を起こせなかったり手を動かせなかったりします。
そのため、洗髪をしてあげるというのは、入院患者さんが快適な生活を送れるように助けるものとなって、入院生活の質を上げることにつながります。

患者さんも洗髪を楽しみにしていることが多いので、せっかくの機会を心地よいものにしてあげたいものです。
それには、看護師の患者さんへの気遣いや思いやりが大事なポイントとなりますので、看護学校での実習でそこを学んで欲しいですね。
洗髪の実習は本当に短い時間しかできませんが、学べることが多い授業なのではないかと思います。