臨床実習とは

患者さんと向き合うことで医療の実際を学ぶ

臨床実習とは、看護学校の大詰めとも言える実習制度で、実際に病院の中で患者さんと向き合いながら訓練を行うものです。

(参考記事)
臨床実習、ウィキペディア

実習を行う病院は、病院付属の看護学校ならその病院で行いますが、単体で看護教育を行っているところであれば、提携病院に分散して行います。
病院付属の場合は、しっかりと体系立った臨床実習のプログラムが組まれていることが多いので、無駄なく効率よく実習を行えます。
いろいろな提携病院で実習を行うというケースでは、様々な医療機関の様子を知ることができるので、異なるタイプの経験ができるというメリットを持っています。

私が教師を務める看護学校では、提携先の病院に一定期間ずつ行くことになっていますので、病院の規模に応じた違いを臨床実習で経験できるという特徴があります。
病院によって業務の仕方が異なりますので、看護学生にとっては将来役立つ体験かと思います。

看護師として大事なことを学べる臨床実習

臨床実習では、実際の現場で患者さんと本職の看護師さんたちがいる中で、働きながら学ぶことになります。
大まかに分けると、観察型の実習と参加型の実習があります。
高度な医療が行われている診療科などでは、見習いが入り込める業務がないことも多いので、周りで観察をすることによって、現場の雰囲気や医療スタッフの働きぶりを学びます。

一方、参加型の実習では、カルテの記入をさせてもらったり、患者さんのお世話をしたりと、実際に看護師の仕事を体験することになります。
もちろん、責任が重い仕事は行えませんが、看護師の日常業務を覚えるのに最適の実習となります。

特に、患者さんと実際に触れ合うことによって、どのような対応をすべきか、どんな姿勢で看護に臨むべきかを身をもって知ることができるので、とても有意義な時間となります。
また、プロの看護師と働くことによって、そのプロ意識や仕事ぶりを見られるのも、実際に仕事を始めたときにとても役立つでしょう。

自分の進むべき道を見つける機会ともなる

臨床実習には他の側面もあって、自分の進むべき道を見つける良い機会となります。
私が教師を務める看護学校では、複数の診療科を経験しますし、病院規模の大小も看護タイプも異なる医療機関で実習を行います。

そうすることで、自分がどんな病院で看護師として働きたいかを考える機会となるのです。
看護師と言っても、人それぞれ希望する分野や病院のタイプは異なるものですので、実際にいろいろな現場を見ることで、自分のやりたいことをしっかりと見定めることができるのです。

このように、臨床実習は看護師となるために欠かせない教育で、これからさらに力を入れて行っていく分野かと思います。